フランス人サッカー選手の差別発言をフランスの地域格差問題から分析【郊外にいる少年からいきなりスターになったデンベレ選手にみるフランスの現状】

Bonjour à tous!
皆さま、こんにちは!

今回は前回に引き続き、
デンベレ選手の発言について見ていきたいと思います。

問題となった発言についての解説は下記の記事をご覧ください。
フランス人サッカー選手の日本人差別発言
デンベレとグリーズマンはフランス語で何と言ったのか?

 

デンベレ選手の発言は差別だったのか?

結論から先に書きます。
デンベレ選手の言葉だけを切り取ると、 差別にはなりません。
もちろん大変屈辱的な言葉ではありますが、
直接、差別に結びつく言葉ではありません。
しかし、その言葉の先には、日本人スタッフが3人いらっしゃいました。
デンベレ選手の言葉が日本人スタッフに向けて話されていれば、
それは差別と言えるでしょう。

デンベレ選手がつかっているスラング

デンベレ選手はフランス語で話をしています。
でも、スタンダードなフランス語ではなく、 つまり学校で教わるきれいな言葉ではなくて、
ストリートの言語 la langue de la rue」と呼ばれるスラングで話しています。
このストリートの言語は、貧しい階級の人たちが暮らしているところ、
またHLMと呼ばれている団地や治安の悪い場所でよく話されています。
このスラングがイギリスのメディアによって翻訳され、
その翻訳をもとに日本語に翻訳されて、拡散しました。
つまり、デンベレ選手が直接話していたストリートの言語に
様々なバイアスがかかり、私たち日本人に届けられたわけです。

多民族国家のフランスには、この
la langue de la rue ストリートの言語
と呼ばれる言葉がたくさん存在しています。
前回の記事で先述したように、
t’as pas honte?“も本来の意味である

恥ずかしくないのか?」ではなく、
彼らの間では「何やってんだよ」というニュアンスでよく使われています。

デンベレ選手を擁護するつもりはまったくないので
誤解していただきたくないのですが、
「la langue de la rue ストリートの言語」を
使う環境で生まれ育ったデンベレ選手が、
屈辱的な言葉を普段から使っていることは確かです。

「どこでもプライベートではこのような表現を使うことがある」
これは彼の本心でしょうし、

差別を差別と認識せずに子どもの頃から使ってきた言葉なのでしょう。

さまざまな人種が住んでいる郊外で育ったデンベレ選手

私のフランス人パートナーで、
元セミプロのサッカー選手でもあるBenjiは

フランスの郊外でよくサッカーをしていました。
なので、郊外の公営住宅帯で人々が
どのような生活をしているのかをよく知っています。

もしかしたら、育った場所によっては、
フランス人さえも知らないことかもしれません。

問題となった動画の一部分だけをみると、
デンベレ選手は「差別」をしているように見えます。

しかし、さまざまな人種が住んでいる郊外で育ったデンベレ選手のことを
よく知っている人たちは、 彼が人種差別主義者だとは思っていません。
それぞれの国の文化が入り混じったコミュニティには独特の世界があります。
この世界を見ずして、「差別」という言葉をつかうことに
Benjiは疑問を持っています。

フランス人のブラックユーモアを私たちは受け入れることができるか?

日本人からみたら差別だと思えることも
フランス人からみたら「ユーモア」だと言われることがあります。
慣れ親しんだ文化は誰にとっても心地がいいものです。
100%純粋な文化はこの世には存在していませんし、
他の国の文化を簡単に理解することは不可能でしょう。
デンベレ選手のように、その人自身に問題がある人はどの国にも存在しています。
自分に自信があり幸せな人は、他人をけなしたり、
自分が上であるかのような態度をとったりする必要はまったくありません。
デンベレ選手の発言をきっかけに、
フランス文化の影の部分を少しでも知っていただければ幸いです。

フランスの教育と地域格差問題

移民の国フランスの教育と地域格差問題について
デンベレ選手の発言をもとにBenjiが語っています。

フランス人サッカー選手の差別発言をフランスの地域格差問題から分析

それでは今回はここまでです。
それではまた!
À très bientôt!

 

 

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